2020年9月にPS5が発売され、話題になってます。
近年のゲーム機はオンラインゲームが当たり前になり、ゲーム機に通信機能が標準で備わってます。
今回は人気ゲーム機のPlayStaion、Nintendo Switchを題材に、それぞれの通信機能に焦点を当てて、通信・ネットワークの勉強をしてみます。
目次
Nintendo Switch・PS3・PS4・PS5の通信機能
各ゲーム機のスペック・仕様のうち、通信機能の部分を見てみます。
専門的な用語が多いですが、
- Ethernet → 有線LAN
- IEEE 802.11 → 無線LAN(Wi-Fi)
- Bluetooth → ワイヤレスイヤホンなどに使われる無線技術
を意味してます。
Nintendo Switch
発売年 | 2017年 |
Ethernet | USB-LANアダプターが必要 |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 4.1 |
PS3(PlayStation3)
発売年 | 2006年 |
Ethernet | Ethernet (10BASE-T, 100BASE-TX, 1000BASE-T) |
Wi-Fi | IEEE 802.11 b/g |
Blluetooth | Bluetooth 2.0(EDR) |
PS4(PlayStation4)
発売年 | 2013年 |
Ethernet | Ethernet (10BASE-T, 100BASE-TX, 1000BASE-T) |
Wi-Fi | IEEE 802.11 b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth 2.0(EDR) |
PS5(PlayStation5)
発売年 | 2020年 |
Ethernet | Ethernet (10BASE-T, 100BASE-TX, 1000BASE-T) |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
Ethernet(イーサネット)
Ethernet(イーサネット)とは、有線LANの通信規格です。
現在の主流のEthernet
現在は1000BASE-T(GigabitEthernet)が最も広く利用されています。
今後は10GBASE-T(10GigabitEthernet)が普及すると見られてます。
Ethernetの規格名
各通信規格に対する最大速度、呼び方、IEEEの名称、ケーブルカテゴリーなどがあり、非常にややこしく感じますが、まとめると以下の表のようになります。
10BASE-T | 100BASE-TX | 1000BASE-T | |
---|---|---|---|
最大速度 | 10Mbps | 100Mbps | 1Gbps(1000Mbps) |
呼び方 | Ethernet | FastEthernet | GigabitEthernet |
IEEE | IEEE 802.3i | IEEE 802.3u | IEEE 802.3ab |
ケーブルカテゴリー | Cat5以上 | Cat5以上 | Cat5e以上 |
- 10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T
数字:数字にMbpsをつけたものが最大速度を表します。
BASE:ベースバンド(周波数帯域)のこと。
– より後のT/TX:ケーブルタイプを表します。 - 最大速度
「Mbps」(メガビーピーエス)、「Gbps」(ギガビーピーエス)は1秒間に送受信可能なデータ量を表す単位 - 呼び方
各規格の別名です。一般的にはこれらの呼び方を使うことが多いです。 - IEEE
アイ・トリプル・イー、Institute of Electrical and Electronics Engineers
アメリカに本部を置く技術標準化機関です。
IEEEがLANの規格を定めています。 - ケーブルカテゴリー
LANの規格によって分けられたLANケーブルの種類のことです。
カテゴリーの数字が大きい方は、それ以下の全ての規格に対応するので、迷ったら数字の大きいケーブルを選ぶと安心です。
Wi-Fi(ワイファイ)
Wi-Fi(ワイファイ)とは無線LANの通信規格です。
スマホが一般的になり、Wi-Fiという言葉も一般的に知られるようになりました。
現在の主流のWi-Fi
現時点でのWi-Fi規格の主流は「11ac」で、正式名称はIEEE802.11acです。
これは「イレブンエーシー」「イチイチエーシー」などと呼ばれ、「Wi-Fi 5(ワイファイ ファイブ)」とも表現されます。
今後の主流になると見られるWi-Fi
今後のWi-Fiは、次世代の高速規格「11ax」が普及して行くと考えられています。(正式名称はIEEE802.11ax)
この新規格は「イレブンエーエックス」 「イチイチエーエックス」などと呼ばれ、「Wi-Fi 6(ワイファイ シックス)」とも表現されます。
Wi-Fiの規格名
Wi-Fi 規格名 | 最大通信速度 | 周波数 | 新呼称 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz 帯 | – |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz 帯 | – |
IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz 帯 | – |
IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz 帯 5GHz 帯 |
Wi-Fi 4 |
IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz 帯 | Wi-Fi 5 |
IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz 帯 5GHz 帯 |
Wi-Fi 6 |
Bluetooth(ブルートゥース)
Bluetoothとは、無線通信の規格のひとつです。
Appleの大人気商品AirpodsやSONYのワイヤレスイヤホン、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボードなどはBluetoothの通信技術を使った製品です。
Bluetoothに対応した機器同士は、ケーブルなどを接続しなくてもデータをやり取りできます。有効範囲はおよそ10m以内です。
国際標準規格のため、対応機器なら各国のどんなメーカー同士でも接続可能となります。
Bluetoothのバージョン
年 | Ver. | アップデート内容 |
---|---|---|
1999 | 1.0 | 一般公開された最初のバージョン |
2001 | 1.1 | このバージョンから広く使われ始めたので「普及バージョン」と呼ばれる |
2003 | 1.2 | 同じ周波数帯(2.4GHz 帯)を利用する無線LANとの電波の干渉を減らし、 音質の改善などをはかる |
2004 | 2.0 | 最大通信速度を3Mbpsに切り替えられる EDR(Enhanced Data Rate)機能を追加 |
2007 | 2.1 | ペアリングが高速で簡単になる |
2009 | 3.0 | 最大通信速度が24Mbpsになる HS(High Speed)機能をオプションで追加 |
2009 | 4.0 | 省電力に優れたLE(Low Energy)機能を追加 |
2013 | 4.1 | LEのデータ通信を効率化する機能やLTEとの電波干渉を減らす機能、 直接インターネット接続ができる機能などを追加 |
2014 | 4.2 | LEのデータ通信速度が2.5倍高速化 |
2016 | 5.0 | データ通信速度が4.0の2倍、通信範囲が4倍、通信容量は8倍に。 メッシュネットワークにも対応 |
2019 | 5.1 | 方向探知機能を追加 |
まとめ
- Ethernetは有線LANの規格。
主流はGigabitEthernet(1000BASE-T, IEEE 802.3ab)。
今後は10GigabitEthernet(10GBASE-T, IEEE 802.3an)が普及する見込み。 - Wi-Fiは無線LANの規格。
主流はWi-Fi5(IEEE 802.11ac)。
今後はWi-Fi6(IEEE 802.11ax)が普及する見込み。 - Bluetoothは無線通信の規格。
最新バージョンはBluetooth5.1。