「インフラエンジニアはやめとけ」と言われてしまう理由10選

「インフラエンジニアはやめとけ」と言われてしまう理由10選

IT業界のエンジニアの中でもインフラエンジニアを目指したはいいものの「インフラエンジニアはやめとけ」「インフラエンジニアはきついからやめとけ」というリアルな声を聞いたり、ネット上の記事を見かけたことはないでしょうか。

このように言われてしまうと「インフラエンジニアの仕事はブラックなのか?」と不安になってしまうものです。

この記事では「インフラエンジニアはやめとけ」と言われてしまう主な理由について解説します。

「インフラエンジニアはやめとけ」と言われてしまう理由10選

「インフラエンジニアはやめとけ」と言われてしまう9つの理由

この記事では、「インフラエンジニアはやめとけ」と言われてしまう理由10選について解説します。

  1. 不規則な勤務(夜勤・土日祝日の休日出勤)
  2. 緊急の障害対応
  3. 障害発生後の再発防止策を考えなければいけない
  4. ミスが許されない風潮がある
  5. ルーティンワークや資料作成が多い
  6. 社内外の調整業務が面倒
  7. クラウド・AI・自動化が加速し仕事がなくなる?
  8. 安月給・給料が上がらない
  9. 人間関係が辛い
  10. ブラック企業や多重下請け構造が存在する

1. 不規則な勤務(夜勤・土日祝日の休日出勤)

インフラエンジニアやめとけの理由:不規則な勤務(夜勤・土日祝日の休日出勤)

インフラエンジニアは、担当している仕事内容にもよりますが、夜勤や休日出勤などの不規則な勤務があります。

なぜなら、インフラエンジニアは、24時間365日にわたって稼働し続けるITシステムの監視やメンテナンスをする必要があるためです。

運用保守の現場では、医療現場の看護師のように、24時間365日のシフト制のところもあります。このような勤務体制を「24d/365d」と表記したり、「にーよんさんろくごー」と言ったりします。

多くのITシステムやサービスは、ユーザーの利用時間帯は日中から夜で、金融システムや法人向けシステムなどは、平日日中が主な稼働時間です。このような時間帯を避けた深夜や休日に作業を行います。

このように、深夜や休日出勤のような不規則な勤務が苦手で暦通りに休みたい人にとっては、インフラエンジニアはきついと感じるでしょう。

2. 緊急の障害対応

インフラエンジニアやめとけの理由:緊急の障害対応

不規則な勤務と関わってくる部分でもありますが、インフラエンジニアは、自分が担当するシステムやサービスで障害が発生した場合は、勤務時間外であろうと緊急で障害の復旧対応にあたる必要があります。

障害は、定期的なメンテナンスとは違って「いつ起こるかは誰にも分からない」ことが大きな特徴と言えます。

インフラエンジニアは、開発系のエンジニアと違って、通常は納期に追われることは比較的少ない仕事なのですが、ひとたび障害が発生すると事態は一変します。そのシステムをユーザーが利用できないような障害ですと、企業側にとっても大きな損失となってしまいますので、何よりも最優先でシステムを復旧することが求められます。

障害発生の連絡を受けた担当者は、深夜でも休日であろうと、自宅からパソコンを立ち上げて障害の復旧や原因調査をしたり、場合によっては現場に駆けつけて早急に障害を復旧する必要があります。

このような緊急を要する障害対応を何度も経験すると、インフラエンジニアはきついと感じる人もいるでしょう。

障害が発生すると、逆に燃えてきたり、わくわくしてしまう人もいたりします!

3. 障害発生後の再発防止策を考えなければいけない

インフラエンジニアやめとけの理由:再発防止策の検討

インフラエンジニアは、障害を復旧するのはもちろんですが、その後に「再発防止策」を考えるのも重要な仕事です。

再発防止策とは、同じミスや自己二度と繰り返さないようにするために、効果的な対策を考えることです。

例えば、サーバーのトラブルによるネットワーク障害が発生した場合の再発防止策や、作業手順の間違いによるトラブルで障害が発生した場合の再発防止策などです。

たいていの場合、再発防止策を検討した後は、自動化するにせよ、人が行うにせよ、何らかのタスクが増えていき「ミスや事故を起こさないためにやることが増えていく」状態になります。また、その再発防止策は、社内の上司や、事故の影響を与えてしまった社外担当者を納得させるものでなくてはなりません。

上記のような、ミスや事故後の再発防止策のような、一見、生産的ではない作業が苦手な人にとっては、インフラエンジニアはきついと感じる人もいるでしょう。

4. ミスが許されない風潮がある

インフラエンジニアやめとけの理由:ミスが許されない風潮がある

アプリケーションやアプリの開発は、バグが出れば修正して再リリースすれば良いのですが、ITインフラはミスが許されないケースが多いです。

インフラエンジニアは、24時間365日で稼働し続けるITインフラのメンテンナンス作業などを行います。作業ミスが原因で、企業のシステムやサーバーがダウンしてしまった・・・、なんていうことが起きたら、大きな損害が出てしまう可能性があります。

ITインフラにおいて、ヒューマンエラーが原因で発生するトラブルは後を絶ちません。 

そのため、ITインフラの現場では「事前に設計書や作業手順書などのレビューを実施する」「マニュアルをしっかり理解してから作業する」「作業者と確認者の2人以上の体制で行う」などで、ヒューマンエラーを防ぐ取り組みをするのが一般的です。

このように、自分主導で仕事を進められないことにストレスを感じる人にとっては、インフラエンジニアは辛いと感じるかもしれません。

私は、おっちょこちょいな性格なので、ITインフラの慎重に仕事を進める文化は、プライベートでも役に立ってます!

5. ルーティンワークや資料作成が多い

インフラエンジニアやめとけの理由:ルーティンワークや資料作成が多い

インフラエンジニアの仕事は、ITインフラの設計・構築、運用保守など、クリエイティブなものというよりは、地味できまりきったコツコツと繰り返すルーティンワークが多いです。

ネットワーク機器やサーバー、クラウドサービスでバリバリとコマンドを打って技術力を磨きたいという思いはあっても、経験不足で下積みの時期は、降ってくる仕事はWordやExcelでの資料作成・・・、というようなこともあります。これは、開発系のエンジニアにとっても同じことが言えます。

上記のように、毎日同じことを淡々・コツコツと繰り返すことが苦手な人にとっては、インフラエンジニアはきついと感じるでしょう。

WEB系エンジニアの仕事と比べると、インフラ系エンジニアの仕事には、どうしても資料作成の仕事が多くなりがちです。

6. 社内外の調整業務が面倒

社内外の調整業務が面倒

インフラエンジニアの仕事には、社内外の調整業務を行う場合もあります。

ITインフラの設計・構築や運用は決して一人で行うものではなく、社内外のさまざまな部門が関わります。そのため、インフラエンジニアは、ITインフラに関わるあらゆる部門と連携を取る必要があり、顧客や、外部ベンダー、他のエンジニアの要望、ヒアリング、調整に走り回ることもあります。

社内外の調整業務において間違いがないように慎重に進めなければいけないという責任が伴う反面、技術力を磨くことに直結しない仕事なので、インフラエンジニアはきついと感じる場面もあるでしょう。

7. クラウド・AI・自動化が加速し仕事がなくなる?

インフラエンジニアやめとけの理由:クラウド・AI・自動化が加速し仕事がなくなる?

インフラエンジニアの仕事は、クラウドサービスやAI・自動化技術が加速するにつれ、5~10年後には仕事がなくなるのではないかと言われることがあります。

従来、データセンターや社内外のサーバールームにて物理的に設置していたサーバーやネットワーク機器は、クラウドサービスの登場によって、インターネットに接続されたパソコンがあれば、費用的にも時間的にも少ないコストで用意することができるようになりました。

また、AIや自動化の技術によって、人の手で行っていた単純作業はコンピュータがミスなく短時間で行えるようになりました。

上記のような理由から、インフラエンジニアの仕事はなくなるからやめとけと言う意見もあるのでしょう。

ですが、インフラエンジニアの全ての仕事がAIや自動化で代替されるわけはないですし、クラウド技術にも柔軟に対応する努力を怠らなければ、仕事がなくなる可能性は極めて低いと言えるでしょう。

8. 安月給・給料が上がらない

インフラエンジニアやめとけの理由:安月給・給料が上がらない

インフラエンジニアは、安月給給料が上がらない仕事なのでしょうか。

確かに未経験からインフラエンジニアになった場合の年収は300万円~400万円で、日本人全体の平均年収からすると低い傾向にあります。また、ネットワークやサーバーの監視業務などのいわゆる「下流工程」をずっとやっていても、年収は上がりにくい傾向にあるでしょう。

仮に、安月給・年収が上がらない状況から脱却するためには、より設計・構築やマネジメント業務などの上流工程ができる環境に、ステップアップや転職をするのがおすすめです。

そのためには、社会的にスキル・知識を持っていることが証明できる資格(CCNAやLPICなど)を取得したり、社内のラボルームや自宅でサーバー構築をするなど、継続的にコツコツとスキルアップをすることが必要でしょう。

9. 人間関係が辛い

インフラエンジニアやめとけの理由:人間関係が辛い

人間関係の悩みや問題は、インフラエンジニアに限ったことではなく、どんな仕事でもプライベートでもあるものです。

IT業界の現場の中には、様々な雇用形態の人たちが同じ空間で働いているところもあり、この独特な人間関係がつらいと感じる人もいるでしょう。

一般的に立場が上から順に並べると、以下のようになります。

プロパー社員(自社の正社員) > 契約社員 > 協力会社(派遣遣会社の社員)> アルバイト

ですが、立場が下だからと言っても、以下のように、現場での経験が長かったり、性格に難がある人がいたりする場合もあります。

  • プロパーの新人社員にマウントを取りたがる、現場歴が長い協力会社の社員
  • 仕事が早くミスも少ないが、やたらと職場や仕事ができない人に不平不満をまき散らす契約社員
  • プロパー社員の管理職同士がとても仲が悪い

インフラエンジニアは、どちらかと言うと、もくもくと作業に取り組めるタイプの仕事ですが、作業のダブルチェックや、作成した資料のレビューなど、周りと協力しながら進めていく場面が多々あります。

対人のストレス耐性があまりに弱い人だと、インフラエンジニアはつらいと感じるかもしれません。

10. ブラック企業や多重下請け構造が存在する

インフラエンジニアやめとけの理由:ブラック企業や多重下請け構造が存在する

IT業界には「ブラック企業」があったり、「多重下請け構造」と言った商流による構造の問題があります。

これはインフラエンジニアに限った話ではなく、IT業界全体に当てはまることです。

IT業界の「ブラック企業」とは?

どの業界でもブラック企業と呼ばれる会社は存在します。ブラック企業についての明確な定義はありませんが、以下のような特徴に多くあてはまる場合はブラック企業と見なして良いでしょう。

  • 長時間労働が当たり前
  • 残業代が支払われずにサービス残業ばかり
  • パワハラ、セクハラが横行
  • 社員の教育がなく使い捨てにする
  • 低賃金で昇給もほとんどない
  • 大量採用・大量離職の繰り返し

インフラエンジニアとして、同じ会社で5年ほど頑張って働いているのに、年収300万円台とか時給2000円以下の場合は、低賃金と言わざるを得ません。転職やフリーランスの選択肢を検討してみても良いでしょう。

IT業界の「多重下請け構造」とは?

IT業界には、プロジェクトや現場によっては「多重下請け構造」が存在します。

多重下請け構造とは

下請け会社が、受注した業務をさらに孫請け(2次下請け)やその下(3次下請け)へと流すことで、多層的に業務委託が行われていく状況を指した言葉。 主にIT業界や建設業界で用いられ、た下請けの末端で働く労働者の低賃金などの原因として問題視されている。
引用元:weblio

IT業界には多重下請け構造が存在するため、どこの「商流」で働くかというのが大切なポイントとなります。

商流が下流(下請け)の会社や現場だと、上の会社にマージンを抜かれるため、従業員に支払われる給料が低くなります。それに加えて、クライアントの要望に振り回され、長時間労働になったり、大きなストレスが溜まってしまうケースもあります。

ですので、未経験からインフラエンジニアを目指す場合は、志望企業の事前リサーチは出来るだけしておきましょう。また、自分が多重下請けの下の商流にいると気づいた場合は、スキルアップしながら転職を視野に入れても良いでしょう。

ブラック企業を紹介しない転職サイトや転職エージェントを利用したり、自分が志望している企業について事前にしっかりとリサーチしたりするなどして、これらの問題を回避することは十分に可能です。

まとめ

この記事では「インフラエンジニアはやめとけ」と言われてしまう9つの理由について解説しました。

今回、ご紹介した全ての理由に当てはまるような状況だったら「インフラエンジニアはやめとけ!」と言うのもうなずけます。また、不規則な勤務や緊急の障害対応あたりは、インフラエンジニアの仕事上、当てはまる人が多いのではないでしょうか。

どんな仕事にせよマイナスの側面はあるものですが、インフラエンジニアは努力と成長次第で、今回ご紹介した理由を打破する状況を作り出すこともできる仕事です。

インフラエンジニア未経験・駆け出し・初心者の人は、今回ご紹介したマイナスの部分もあるということを理解して、マイナスを打ち消すキャリアアップに精進していただければ幸いです。