パケットトレーサーの使い方:PC・スイッチ・ルーターの接続方法

CCNAの勉強をする人にとって、Ciscoのパケットトレーサーをダウンロードしたはいいものの、次は何をやればいいんだろう?となる人は 多いと思います。

そこで、今回はパケットトレーサーで、基本的なネットワーク接続ができるまで説明します。

ネットワークトポロジー

今回の目標とするネットワークトポロジー(接続形態、ネットワークの形)です。

まずは以下のように接続しましょう。

PC2台、スイッチ1台、ルーター1台を以下のように接続して、各機器同士が疎通できるようにします。

正常に疎通できたかの確認は ping コマンドで行います。

ホスト IPアドレス
PC1 192.168.0.1/24
PC2 192.168.0.2/24 
SW1(スイッチ) 192.168.0.253/24 ※VLAN
R1(ルーター) 192.168.0.254/24 
[/list]

MEMO

  • ネットワーク機器のデバイスモデルは、スイッチは「2960」、ルーターは「1941」を使用してます。
  • 各機器の接続ケーブルはストレートケーブルです。
  • PCとスイッチ、PCとルーターはコンソールタイプのケーブルで接続します。
    ※PC側ポートはRS232、スイッチ・ルーター側のポートはConsole

設定の手順

まずはPCのIP設定をしましょう。
分からない用語は徐々に理解していけば良いので、今はどんどん設定していきましょう!

PCの設定

  1. IP設定の画面を開きます。

    ① PCのアイコンをクリック
    ② 「Desktop」をクリック
    ③ 「IP Configuration」をクリック

  2. 各IPの設定をします。
    IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイの設定をします。
    サブネットマスクはIPアドレスを入力すれば自動で設定されます。

    PC01
    IPアドレス 192.168.0.1
    サブネットマスク 255.255.255.0
    デフォルトゲートウェイ 255.255.255.254
    PC02
    IPアドレス 192.168.0.2
    サブネットマスク 255.255.255.0
    デフォルトゲートウェイ 255.255.255.254
MEMO

  • 「DNS Server」の入力は不要です。
  • 特に保存するボタンはありません。数字を入力したら反映されますが、入力するボックスの中にカーソルが残ったままだと反映されません。

スイッチ

続いてスイッチの設定です。
ここからコマンドラインでの設定になりますが、順序通り設定していきましょう。

ターミナル起動

  1. PC経由でターミナル画面を起動

    スイッチにはPCのようにモニタ画面がありません。
    実機と同じ環境をイメージしながら、PCとスイッチをコンソール接続してPCモニタを使ってスイッチの設定をします。
    ※Windows PCで「Tera Term」からスイッチへシリアルポート接続することと同じです。

    ①スイッチとコンソール接続しているPCをクリック
    ②「Desktop」をクリック
    ③「Terminal」をクリック

  2. ターミナル設定

    特に設定は不要ですので、OKをクリックします。

  3. ターミナル画面が起動

    本物のスイッチと同じように画面が起動します。

ホスト名とIP設定

  1. ホスト名の設定
    Switch>enable 
    Switch#configure terminal 
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    Switch(config)#hostname SW1
    SW1(config)#

    enableコマンドで特権モードconfigure terminalコマンドでグローバルコンフィグレーションモードに切り替えます。
    モード切り替え後ににホスト名をhostname [ホスト名]で設定します。

  2. IPアドレス・デフォルトゲートウェイの設定
    SW1(config)#interface vlan 1
    SW1(config-if)#ip address 192.168.0.253 255.255.255.0
    SW1(config-if)#no shutdown 
    %LINK-5-CHANGED: Interface Vlan1, changed state to up
    SW1(config-if)#exit
    SW1(config)#
    SW1(config)#ip default-gateway 192.168.0.254
    SW1(config)#
    

    スイッチには実際の物理的なポートではなく、仮想的なLANであるVLANにIPアドレスを設定します。interface vlan 1でVLAN1のインターフェースコンフィグレーションモードに切り替えます。
    IPアドレスは、ip address [IPアドレス] [サブネットマスク] で設定します。
    デフォルトではどのインターフェースもdown状態ですので、no shutdown コマンドでインターフェースをupさせます。

    VLANの設定が終わったら、exitで特権モードに戻ります。
    また、PCと同じようにデフォルトゲートウェイを設定します。ip default-gateway [IPアドレス] で設定します。

ルーター

スイッチと同じように、ルーターもコマンドでの設定をしていきましょう。
この設定が完了すれば、PCとルーターの疎通が可能になります!

  1. ホスト名の変更
             --- System Configuration Dialog ---
    
    Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes/no]: no
    
    Press RETURN to get started!
    
    Router>enable 
    Router#configure terminal 
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    Router(config)#hostname R1
    R1(config)#
    

    上記の”Would you like to enter the initial configuration dialog?”は no を選択してEnterを押します。
    スイッチと同様に特権モード、グローバルコンフィグレーションモードに切り替えて、ホスト名を設定します。

  2. IPアドレス設定
    R1(config)#interface gigabitEthernet 0/0
    R1(config-if)#ip address 192.168.0.254 255.255.255.0
    R1(config-if)#no shutdown 
    %LINK-5-CHANGED: Interface GigabitEthernet0/0, changed state to up
    %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface GigabitEthernet0/0, changed state to up
    R1(config-if)

    interface [ポート番号] でスイッチに接続しているポート(GigabitEthernet 0/0)のインターフェースコンフィギュレーションモードに切り替えます。
    GigabitEthernet 0/0 のIPアドレスをip address [IPアドレス] [サブネットマスク]で設定します。
    IPアドレス設定後は、スイッチと同様にデフォルトでdown状態のインターフェースをno shutdownコマンドでupすることで疎通可能になります。

検証(疎通確認)

PCからpingで疎通確認

C:\>ping 192.168.0.254

Pinging 192.168.0.254 with 32 bytes of data:

Reply from 192.168.0.254: bytes=32 time=1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.254: bytes=32 time<1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.254: bytes=32 time<1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.254: bytes=32 time<1ms TTL=255

Ping statistics for 192.168.0.254:
    Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
    Minimum = 0ms, Maximum = 1ms, Average = 0ms

C:\>ping 192.168.0.253

Pinging 192.168.0.253 with 32 bytes of data:

Request timed out.
Reply from 192.168.0.253: bytes=32 time<1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.253: bytes=32 time<1ms TTL=255
Reply from 192.168.0.253: bytes=32 time<1ms TTL=255

Ping statistics for 192.168.0.253:
    Packets: Sent = 4, Received = 3, Lost = 1 (25% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
    Minimum = 0ms, Maximum = 0ms, Average = 0ms

C:\>ping 192.168.0.2

Pinging 192.168.0.2 with 32 bytes of data:

Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time=1ms TTL=128
Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time<1ms TTL=128
Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time<1ms TTL=128
Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time<1ms TTL=128

Ping statistics for 192.168.0.2:
    Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
    Minimum = 0ms, Maximum = 1ms, Average = 0ms

スイッチからpingで疎通確認

SW1#ping 192.168.0.1

Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.0.1, timeout is 2 seconds:
!!!!!
Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 0/0/3 ms

SW1#ping 192.168.0.2

Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.0.2, timeout is 2 seconds:
.!!!!
Success rate is 80 percent (4/5), round-trip min/avg/max = 0/0/3 ms

SW1#ping 192.168.0.254

Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.0.254, timeout is 2 seconds:
.!!!!
Success rate is 80 percent (4/5), round-trip min/avg/max = 0/0/0 ms

ルーターからpingで疎通確認

R1#ping 192.168.0.1

Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.0.1, timeout is 2 seconds:
!!!!!
Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 0/2/11 ms

R1#ping 192.168.0.2

Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.0.2, timeout is 2 seconds:
.!!!!
Success rate is 80 percent (4/5), round-trip min/avg/max = 0/0/3 ms

R1#ping 192.168.0.253

Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.0.253, timeout is 2 seconds:
!!!!!
Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 0/3/8 ms

まとめ

  • パケットトレーサーを使って、PC2台、スイッチ1台、ルーター1台のネットワーク接続で疎通確認をしました。
  • スイッチやルーターでのモード切り替え、ホスト名変更、IPアドレス設定などの基本的なコマンドを押さえておきましょう。